世界のコーヒー事情と深刻な【コーヒー2050年問題】について

当店で取り扱いをしております【キューバ産:クリスタルマウンテン】ですが、アメリカのキューバに対する経済制裁の影響で完全に入荷見込みがなくなりました。
現在の在庫がなくなり次第、休止とさせていただきます。これに伴い【クリスタルマウンテンブレンド】も休止となります。

さらに深刻な問題なのが【コーヒー2050年問題】です。世界中で多くの人に親しまれているコーヒーですが実は今、ある問題に直面しています。
日々の生活の中で食料品や生活用品など、物の価格がどんどん上がって私たち消費者は「また値上げ?」と正直、値上げのラッシュは止まらず、家計に大きな影響を及ぼしています。
あまり意識をしたことがないかも知れませんが、コーヒーも農産物です。その危機的状況の波も確実に押し寄せてきています。


※朝日新聞(2025.4月記事より引用)

それは地球温暖化の問題。農作物であるコーヒーは環境の変化の影響を受けやすいのです。
地球温暖化の問題は単に温度の上昇だけではなく、湿度の上昇や降雨量の減少などさまざまな変化を引き起こします。こうした気候変動はコーヒー栽培にも影響を及ぼします。
地球温暖化がこのまま進めばコーヒーの生産量は減少し、美味しいコーヒーが当たり前のように飲めない日々がやってくる。これは「コーヒー2050年問題」と呼ばれており、今まさにこの瞬間も休む間もなくどんどん進行しています。

コーヒー栽培に適した熱帯付近の熱帯地帯は「コーヒーベルト」と呼ばれていますが、気候変動が続くとコーヒーベルトで生産量の7〜8割を占めるアラビカ種の栽培適地は2050年までに現在の半分(50%)に減少する可能性があります。また世界第1位の生産量を誇るブラジルでは60%もの栽培適地が減少してしまうとも言われています。

 

【コーヒーの収穫量と品質の低下】

極端な気温の上昇は熱波や集中豪雨などの異常気象を引き起こすだけでなく、その土地で栽培しやすい農作物を変えてしまう環境変化につながります。

コーヒーベルト地帯では降雨量が減少しアラビカ種の栽培に必要な雨季と乾季の境目が少なくなると考えられています。

アラビカ種は高温多湿の環境では育ちにくい傾向があります。標高が高く、寒暖差が大きい土地ほど風味豊かで高品質なコーヒー豆が収穫できますが、温暖化によって寒暖差が小さくなるとさらに標高の高い栽培地を開拓せざるを得ません。森林伐採はさらなる温暖化を招く悪循環を生みます。

さらに地表温度の上昇は海面から発生する水蒸気の量を増加させます。降雨量の減少と湿度の上昇によってアラビカ種の大敵「さび病」が蔓延しやすくなってしまうのです。
大手企業ではこの危機的状況をなんとかしようと病気に強い品種改良やハイブリット品種への植え替え、高緯度や高地への移動を行っています。
しかし、「新たな産地」が生まれたとしても将来のコーヒー不足が解消されるとは限りません。

【コーヒーの価格上昇】

市場価格は「需要と供給」のバランスで決まるため、コーヒーの供給が減り続けるといずれ需要が供給を上回り、必然的にコーヒーの価格は上がります。

日本においてはコーヒーはもはや生活に欠かせない飲み物となりましたが、中国やインドなど近年急速に発展した国々でもコーヒー消費量が増加に転じています。
このような需要の高まりとコーヒーの栽培適地の減少という問題が重なることで需要と共有のバランスが崩れます。世界規模の深刻なコーヒー不足を招く前に目を逸らさずこの問題と向き合っていくことが非常に重要です。

イタリアのコーヒーブランド「illy(イリー)」のCEOスイスのダボスで開催された世界経済フォーラムにて「2050年までにコーヒーの需要は2〜3倍になる」と予測しています。

このままでは将来的、特に2050年ごろにはコーヒー不足が深刻になる可能性があり、必然的にコーヒーを飲める人は一部の人に限られることになります。
この危機的状況は年々深刻になり、これからもとても厳しい状況で改善される見込みも全くありません。近い将来コーヒーは高級品へと変わっていくかもしれませんね。

 

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